2007年4月例会「生き残る経営戦略とは」
朝日大学マーケティング研究所 所長・教授 鈴木 博道氏
■経営戦略の基本を考える
1.人間という動物の特性を知ろう
2.生存競争の本質(動物行動学から見た)
3.生き残りとは、環境に適応すること
4.適応の原則は、新陳代謝である
■自社を経営環境の変化にどう適応させるか(適応力を向上させるためにすべきこと)
■生き残りのノウハウを考える(コンサルティング実例を通して)
『きれいごとだけでは、経営はできない』という経営者としての本質的な部分を、聞かせていただけることでしょう。
| 1970年 | 慶應義塾大学経済学部 卒業 |
| 1992年 | (株)メディア・マーケティング・ネットワーク設立 代表取締役会長として、メディア業界、金融業界などの調査・コンサルティングに従事 |
| 1999年 | 朝日大学教授就任 2001年まで副学長 |
| 2002年 | 同大学マーケティング研究所長 |
| 2003年 | 中小企業総合事業団商店活性化 シニア・アドバイザーを兼任 |
第1章:人は、食べ慣れたものを「おいしい」と思う習性がある
人は、「慣れたものに好感をもつ」という習性があります。したがって、お客様に何度も直接会うことで見慣れていただくことが、お客様からの支持を得るために最も重要なことであり、建設ビジネスを進展させる方法です。お客様に見慣れていただくためには何度も会うことが必要ですが、要件だけでは何度も会うということにはつながりません。
例えば、ある整形外科の院長は診察の際にカルテを書く時、そのカルテには症状などの医学的なことだけではなく、その患者の家族の誕生日なども書き、診察に来た時には声をかけています。また、患者を長時間待たせないための工夫として、院長が忙しくてその患者を診察できない時でも、診察は他の医師が行い、必ず院長が一声をかけるのです。診察前に院長が一声をかけることによって、患者は満足します。
また、住宅会社の例では、建設中にお客様が見にいらっしゃる時に仕事内容をしっかりと見ていただくことや、建物の完成後にも頻繁に訪問することで、お客様は満足します。このように、お客様との接点を増やすことでお客様との心の距離が一層縮まり、より身近な存在だと感じていただけるようになります。その結果、お客様からの信頼や支持へとつながり、その積み重ねがやがて、建設ビジネスの進展へとつながっていくのです。
第2章:売れる主因子を魅力的にみせる
売れるテレビ番組を作るためには、よい脚本を書くことではなく、売れる主因子であるタレントが魅力的に見える脚本を書くことが重要です。このことを建設業に置き換えると、「建物の品質よりも、お客様が求める主因子に訴えることが、お客様に重要視される」ということができます。では主因子とはなんでしょうか。例えば、整形外科を例にすると、ある整形外科の医師がポラロイドカメラでレントゲンの写真をとり、その写真を患者に見せながら、悪い部分をしっかりと説明します。そうすることで、患者に主因子である「安心」を与えることができます。
また、住宅会社を例にすると、大工が仕事場に孫を連れてくることや、建設中にミスした箇所を正直に伝えてから直すことによって、お客様に主子である「信頼」を与えることができます。こういった「安心」や「信頼」は、お客様を感動させる主因子となるのです。私たち売り手は、お客様の立場になって考えることなどできません。したがって、まずは、お客様の主因子を知り、その主因子を提供することで、お客様の感動を得ることを行っていく必要があるでしょう。
第3章:あなたは、賭博場の親分になれるか
私たちは、日々利益を上げようと努力していますが、経常利益は6~8%が普通で、よくても12%程度でしょう。この利益率を飛躍的に上げようとすると、根本的に考え方を変える必要があります。賭博場を例に考えて見ましょう。賭博には、賭博場を開く人、通う人、通わない人がいます。一般の企業は、賭博場に通う人です。通わない人は既存市場からの撤退者です。賭博場を開く人とは、あたらしいビジネススタイルを立ち上げ、市場を作る人のことです。世界市場では、アメリカがまさに賭博場の親分です。ドルは世界通貨ですから、アメリカはお金がなくなれば印刷すればいいのです。しかし日本はそうはいきません。お金を印刷するとインフレになるからです。
賭博場では親分になることが、勝つ条件なのです。私たちは、既存市場でのみ事業をするのではなく、新しいビジネススタイルを構築し、賭博場を開くことを考えていかないといけません。これからのビジネスでは、強い企業が必ずしも生き残るのではなく、みんなが行く方向には行かないという選択が必要です。自分たちの身の丈に応じて工夫し、進んで開拓し続けるという決意が大切なのです。

①基調講演
②講演に基づいてケーススタディ
③グループ゚討議により自社に落し込む
| 日 程 | 2007年4月19日(木) 14:00~17:30 |
|---|---|
| 会 場 | 名古屋都市センター 特別会議室(金山総合駅 南口) 名古屋市中区金山町1-1-1 TEL: 052-678-2200 |
| 講 師 | 朝日大学マーケティング研究所 所長・教授 鈴木 博道氏 |
| 対 象 者 | 建設業,建設コンサルタント業の経営者,後継経営者,将来経営者になる予定の方 |
| 参加費用 | 無料(会員),5,000円(ゲスト) |
入会について
入会費:10,000円 年会費:50,000円
NPO法人建設経営者倶楽部KKCの活動
・定例会:各界著名者による講演とそれに伴う討議により,幅広く学びます。偶数月第2木曜日開催です。
・人材育成委員会:「組織力」「人材力」を高めるために,経営者としてなすべきことを学んでいます。奇数月第2月曜日開催です。
・事業革新委員会:「商品力」「営業力」を高め,事業革新を推進するためにケーススタディで学んでいます。奇数月第4月曜日開催です。




















